ヨーロッパに何年か住んでいると、ファッションにおいて重要視するものが見えてくるものである。
それは、
・いかに現地人っぽく見せるか(観光客だと思われると、犯罪に巻き込まれる率が急激に上がる)
・それなりにシックに見せたい(欧州には一定の割合で、「何を着ていてもシックに見える人々」というのが存在しており、羨ましい限りである。)
ヨーロッパにいるアジア人たちを見ていると、結構母国の服をそのまま着ている人が多く、それはそれは目立つのである。(つまりそれだけ、スリや詐欺被害のターゲットになりやすい)
数日の旅行ならまだしも数ヶ月単位で住むとなると、このようなリスクはできる限り回避したいし、現地人でないと分かるとあからさまに雑な扱いを受けることもあるので、日常生活に支障が出かねない。
客観的に見て、欧州ブランドの服はデザイン性が高く、スタイリッシュなものが多い。
一方、土地柄にもよるだろうが、オフィスや大学へ行く時におしゃれをしている人はそこまで多くない。
素敵な柄のスカートや、グラマラスなドレスがよく売られているが、果たしてあれらの服たちは、どこで着られるものなのだろう。
このような厳しい(?)状況のなかでわれわれを助けてくれるのが、そう、我らが日本が誇るファストファッションブランド、ユニクロである。
ZARAやH&Mと同じ価格帯であるにも関わらず、縫製や生地がしっかりしていて2〜3年は着られる印象である。しかもインフレが加速する欧州において、この価格に抑えられているのは消費者としては(特に金のないわれわれ学生にとっては)大きな助けである。
さらにユニクロの素晴らしいところは、デザインがベーシックゆえ、ヨーロッパのどこに行ってもなんとなく、それなりに現地人っぽくカモフラージュできるというところだ。しかも日本国内よりユニクロを着ている割合が低いので、ユニクロ被りという状況に陥ることもない。
とはいえ、ロンドンやベルリン、パリといった都市は人種的に多様なので、以前に比べると「アジア系」であることが目立つ場面はかなり少なくなったように思う。
しかしアジア系ファッションはまだまだマイナーであるし、それなりに目立つものである。
アメリカではSHEINといったアジア系通販の利用がかなり盛況なようだが、ヨーロッパではどうなのだろうか。
なので、ヨーロッパを旅行する時はユニクロ(またはZARA、H&M)を着ていくことを強くお勧めする。それに奇抜な色柄のスカーフを巻けば、見た目を現地人に一層近づけることができるだろう。